予告

質屋さんは物品を担保にお金を貸す業態なので
仮に利息の支払いが滞っても、その預かった品物を処分して元本の返済に充てるため
お客様への督促は一切ありません。


これがいわゆる「質流れ」という状態です。


一般的には質流れしても元本が回収できる金額を融資するのですが、
これがまたそうもいかないときもありまして。


うちのお店がある地域は質屋が軒を連ねる激戦区なので、
他のお店に行かれるくらいなら!と、金額的に無理をして預る場合がでてきます。
そんなときはどうしても持って帰ってほしい!と切に願うわけです。
流されても元本割れしちゃうし。


だから、


「もう質流れの期限は過ぎちゃってるんだけど、明後日までにお金を用意するんで、品物をとっておいてください」


という電話に対しては、基本的にオッケーと回答します。


「うちも持って帰ってもらうほうがありがたいんで、お待ちしてますよ。お名前だけうかがってよろしいですか?」


「あ、申し遅れました。私、ナガスといいます」






流す気まんまんじゃねえか!名字が。