限界を超えて

「マスター、このサービスランチの横に書いてある"ギリギリサービスランチ"ってなに?」


「あいたたたた…。お客さん、見つけてしまいましたか…。
 実は、採算度外視で、"この値段でこんな料理が食べられるの?"というくらいお得なランチをやらせてもらってるんですよ」


「へぇー、そうなの。じゃあせっかくだからギリギリサービスランチをもらおうかな」


「いやー、勘弁してください。これを頼まれるとウチは赤字なんですって」


「ははは。そんなこと言われると余計期待しちゃうなぁ。マスターもうまいね」


「笑い事じゃなくて、本当に勘弁してください。採算が合わないって言ってるじゃないですか」


「…マスター?」


「あのね、これを注文されるたびにずーっと私は断り続けてきたんですよ!注文なんかされたらおしまいなんだよ、ウチは!」


「なんでメニューに載せてるの…」